うるわしき・きょうと・とりっぷ
新型コロナウイルスの波状攻撃もようやく少し落ち着き、再びインバウンド受け入れが始まるわが国。妻が習うジャズの先生の京都祇園ライブを聴きに行くついでに、インバウンドで溢れかえるであろう京都へ先んじて1泊2日の小旅行をしようという事になり先日行ってきました。京都は近いので年に数回は訪れるのですが、考えたら意外と行った事のない観光地も結構あるもので、今回の小旅行では知恩院と三十三間堂に行ってみました。
【知恩院】
知恩院の正式名称は「華頂山 知恩教院大谷寺」で浄土宗の総本山です。「華頂山」の額が掲げられた三門と境内の中央に位置する御影堂は威風堂々とした佇まいの国宝です。開祖法然は平安後期から鎌倉時代の人なのに、境内の伽藍はそんなに古さを感じさせないなと思ったらそれもそのはず、徳川家康が京都における菩提所と定めてから勢いが増し現在の大伽藍を築いたそうです。二つとも江戸時代の建造物なんですね。
境内にある方丈庭園。秋は紅葉で彩りが鮮やかになるのでしょうが、新緑の「青もみじ」も趣がありました。
【ジャズバー Baja Bluet(バハブラット)】
目的のライブ会場は京都祇園にあるバハブラットというジャズの生演奏が聴けるジャズバーでした。
やはり、即興音楽のジャズはライブで聴くのが一番! ラムベースのダイキリとバーボンのロックを呑みながら、ステージに最も近いカウンター席で、素敵なジャズを堪能させてもらいました。
【三井ガーデンホテル 京都河原町浄教寺】
この日のお宿は「三井ガーデンホテル 京都河原町浄教寺」。こちらは寺院共存型の一風変わった形態のホテルです。浄教寺は500年以上続く浄土宗のお寺ですが、建物は老朽化がすすみ建て直すにもお金がかかるという財政的な問題に直面していました。そこでホテルと一体化させる事によって、寺の存続と多くの世代にお寺を身近に感じてもらいたいという住職の願いを両立させたのだそうです。設備は和洋が融合したモダンな作りでホスピタリティーや立地も抜群。素泊まりで利用しましたが、とても快適でした。
翌朝、オプションの「朝のお勤め」を申し込んでホテル宿泊棟に隣接する寺院で行われる朝の勤行に参加しました。これは、寺院で毎朝行われている朝の勤行に参列して最後に全ての参加者が焼香を行なうというものです。お勤めの後は、自由に堂内を写真撮影することが許されています。仏事への参加を経験した事のある人は朝から心の平静を保つのに役立ちますし、未経験の人は仏教文化に直接触れることができるので、とても良い試みだと思いました。
【蓮華王院 三十三間堂】
翌朝は雨がそぼ降る中、蓮華王院 三十三間堂へ。ワタシの「晴れ男」威力も歳と共に衰退期を迎えつつあるようですが、雨の京都も風情満点です。(と、負け惜しみ)
新春に開催される「通し矢」で有名な三十三間堂は京都の観光地としてあまりにも有名ですが、ワタシも妻も初めての訪問でした。こちらの見どころは何と言っても千体の千手観音立像と風神雷神および二十八部衆像です。堂内に整然と並ぶ千体の千手観音立像はまさに圧巻です。堂内撮影が禁止されているためこちらのサイトで堂内の様子をご確認ください。
庭園では雨に濡れた紫陽花が見頃を迎え始めていました。ほら、やっぱり雨でよかった。(再び、負け惜しみ)
観光地として人気の京都。奈良からはとても近いのですが、近さゆえ日帰りで行こうとすると、じっくり楽しめなかったりするものです。今回、一泊して京都を巡ってみてわかったのですが、日帰りでは出来ない体験ができたり、落ち着いて観光地を見学できたりするのでこれもアリだなと実感しました。これから観光客も多くなるだろうから、今後は平日狙いで近場の一泊旅行も良いかな〜