いまナラ奈良へ行くシカないカモ
コロナで落ち込んだ観光需要を喚起するため全国の各自治体では旅行支援策が実施されています。奈良県も2023年2月まで『いまなら。キャンペーン2022プラス』というキャンペーン(ワクチン3回目接種済みが申し込み条件)を行なっており、今年8月に温泉巡りで奈良県十津川村に宿泊した際に、実はワタシもこのキャンペーンを利用してお得に宿泊しました。
今回レポートする奈良県天川村の洞川温泉も今年の初めに一度キャンペーンを利用して宿泊予約していたのですが、諸事情あってキャンセル。常々『一度は洞川に泊まってザ・昭和な温泉宿でまったりしたいなぁ』と思っていたところ、『洞川で「陀羅尼助丸」を姪っ子に購入してあげたい!』という大義名分(?)ができたため、(日帰りで充分行ける距離だけど、、)今ならお得に行ける1泊2日の洞川温泉旅行を決行しました。
洞川は修験道の行者のための宿場として古くから栄えたところです。修験道の聖地である大峯山は女人禁制のため、昔は男性ばかりが泊まっていたそうですが、1970年台に温泉が湧出して以降は温泉街として栄えるようになり、近年のレトロブームを背景に女性も多く訪れるようになったとの事。
宿泊したのは「紀の国屋甚八」という創業300年の老舗旅館です。戦後、この一帯で火事があったそうで、その時に建て替えられてはいるものの、それでも70年ほどの年月を経ているので、造りはなかなかノスタルジックです。
宿泊のために案内された部屋は10畳が二間続きの和室です。部屋の扉を開けると10畳の畳の廊下があり右側の二間が我々の宿泊する部屋。廊下を挟んで左側にも同じく10畳二間続きの客室(空室)がありました。全ての襖と障子を取り払うと50畳の大広間になる間取りという事で、合宿でもできそうな広い部屋を独占した我々はすっかり殿様&お姫様気分でした。
ゞ( ̄ー ̄ )ノ
温泉は一度に6人程度は入れそうな露天庭風呂ともう一つの小さな浴場があり共に24時間入浴可。16時から19時までのコア時間は男女入れ替え制ですが、それ以外の時間は空いていれば貸切風呂として使える方式でした。小さな旅館なので宿泊客は数組だけ。使用中の札を掲げておけば予約なしで貸切風呂として気軽に利用できるので、思う存分温泉を楽しむ事が出来ました\(^^)/。
夕食は鴨鍋のコースを予約しました。これで二人前?!と驚くほど鴨肉が大盛りでしたが何とかクリア。鹿肉のたたきも臭みなくローストビーフのような味わいで美味しかったです。やはり、この機会に行くシカないカモです。
夕食後、通りへ出てみると提灯に明かりが灯り、幻想的でノスタルジックな世界が広がっていました。
洞川温泉の宿の特徴といえば、表通りに面した縁側。昔は行を終えた白足袋&わらじ履きの行者さんが縁側のタライの水で足を洗ってから部屋に入ったので、長い縁側が通りに面していれば一度に多くの行者さんを素早く部屋に通す事ができたというわけです。そんな昔の人の知恵が、街の風情として今も息づいているようです。
翌日は通りに面した部屋で朝食をいただきました。ご覧の通り開放感はバツグンです。朝の通り沿いは道ゆく人や車も少なく、街の様子を見ながらのんびりと食事をとる事ができました。
洞川はミネラルをたっぷり含んだ湧水が豊富なので、湯豆腐がとても美味しいのです。
宿のチェックアウトを終えた後、温泉街近くの面不動鍾乳洞に行ってみました。
このあたりは関西では珍しい石灰岩を含む水成岩地帯だそうで、洞川には鍾乳洞が二つ有ります。ワタシが行った面不動鍾乳洞は入口付近までトロッコのようなモノレールで急斜面を登る事ができます。この日は、団体で修学旅行(?)に来ていた小学生たちが元気に徒歩で登っていましたが、彼らに比べて老夫婦(?)な我々は登りだけモノレールを利用しました。到着した洞窟前の展望台からは洞川温泉郷と霊場である大峰山系を一望できました。
鍾乳洞の中に一歩足を踏み入れると独特のひんやりとした空気に包まれます。鍾乳石が色とりどりにライトアップされて美しく浮かび上がっていました。鍾乳洞のお約束なのか、石柱、石筍や石室にはいろいろ変わった名前が付けられており、こちらではなぜか「ゲゲゲの鬼太郎」の妖怪を思い起こさせるようなオドロオドロしい筆致で名前が書かれていました^^;。
山の天気は変わりやすく午後からは雨が降りそうだったので、あわてて帰路につきました。
温泉街に沿って流れる山上川の水はとても綺麗で、ニジマスが群れを成して泳いでいるのが印象的な洞川温泉郷でした。