おもてなしのココロを感じる自販機

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忍者で知られる伊賀と甲賀は陶器の産地としても有名です。三重県北西部の伊賀市には伊賀焼、隣接する滋賀県南部の甲賀市には信楽焼があります。有史以前の琵琶湖は元々この辺りにあったといわれており、同じ古琵琶湖の粘土層が焼き物に良好な陶土を創り出したようです。奈良や京都に近いという立地も影響してこの辺りでは陶器作りが盛んになったとのこと。

先日『陶器巡り』と称して伊賀と信楽にドライブに行ってきましたので、見所をいくつかレポートします。

<伊賀焼>

「ながたにえん」と聞けば「お茶漬け海苔」しか思い浮かばない人が大多数だと思います(かく言うワタシも以前はそのうちの一人[E:#x1F4A6])が、伊賀焼の「ながたにえん」といえば、知る人ぞ知る窯元『長谷園』であります。(ちなみにお茶漬け海苔の方は『永谷園』ね!)

創業した天保年間から昭和40年代まで実際に使われていた16連房の「登り窯」は長谷園のシンボルであり、国の登録有形文化財に指定されています。同じく登録有形文化財の「大正館」は大正時代に建てられた建築物で、10年前まで実際に事務所として使われていたのだとか。現在は休憩コーナーとして一般開放されており、スリッパに履き替えて館内に入れば大正ロマンを感じること間違いなし。

陶器のスピーカーから流れるジャズやイニシエの調度品で心は満たされます。

・・で、本日のタイトル『おもてなしのココロを感じる自販機』の「自販機」とは、大正館にあるコーヒの自動販売機のことです。

棚にある伊賀焼の陶器カップを自動販売機にセットして、350円を放り込めば挽きたての熱いコーヒーが注がれます。アンティークな空間でのんびり一服した後は、飲み終えた伊賀焼のカップを各自で新聞紙に包んでビニール袋に入れて自由に持って帰るシステム!! 店員さんや監視の人がいるわけではなく、あくまでも『良心に任せますので好きなようにお過ごしください』の姿勢です! 日本に生まれて良かった〜[E:#x1F495]

<滋賀県立 陶芸の森>

大正館でゆっくり休憩した後は、長谷園の展示室にある売店で3合焚きの「かまどさん」(これはノチほどご紹介します)を購入し、車で15分ほど走って信楽にある「滋賀県立 陶芸の森」へ。

駐車場の車止めは、陶器のワンちゃん。駐車場横には信楽名物たぬきの置物があり、ベタな写真撮影など出来るようになっています。陶器に歓迎されながら広々とした無料の園内へ。

広場あり階段ありで、園内を歩くだけでも結構いい運動になります。

陶芸専門の美術館「陶芸館(有料施設)」の前には陶芸オブジェが、あちらこちらに。思わずニッコリさせるユーモラスな作品も多いです。

陶芸館では特別展「神業ニッポン 明治のやきもの ー幻の横浜・東京焼ー 」と題してジャポニズムブームで海外に大量に流出した日本の陶器作品が多数展示されていました。ワタシは素朴な焼き物の方が好みですが、日本人が得意とする緻密な作業による陶器の数々はまさに「神業」と呼ぶに相応しいものがありました。(館内は一部作品のみ撮影可でした)

陶芸館見学のあとは屋外広場を散策しながら陶芸作品の鑑賞。この日も黄砂の影響で薄曇りでしたが、広々とした屋外で久しぶりに気持ちの良い時間を過ごせました。

<かまどさん>

伊賀焼の長谷園で購入した土鍋「かまどさん」で後日、お米を炊いてみました。

我が家はオール電化のためガスが使えないので、カセットガスコンロを引っ張り出してきて炊飯。陶器の気泡が米に適度な呼吸を与える役目をし、さらに陶器の内蓋が良い具合に圧力をかけて美味しいご飯が炊ける仕組みです。『始めチョロチョロ、中パッパ』を勝手に土鍋がやってくれるのです。

炊き上がったお米は粒が立って、なんとも艶やか。食べれば米の澱粉質が程よく出てお米独特のほのかな甘味を感じます。うまし!!!

時間の余裕がある休日の夕飯には、できるだけ「かまどさん」でご飯を炊きたいと思っています。でも更に、食べ過ぎてしまう予感。。。(≧∀≦)

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