2022年の旅納め?(飛騨古川編)

最終更新日

Comments: 4

中部地方2泊3日の旅、2日目。午前中に犬山城周辺を散策した後は、東海北陸自動車道を北上して岐阜県の飛騨地方へ。

2日目の旅館は飛騨古川にある料亭旅館「八ッ三館」でした。実はこの旅館、旅行好きのワタシと妻への誕生日プレゼントとして娘夫婦が贈ってくれたJTB旅行ギフトから選ばせてもらったのですが、数ある宿泊先から選んで大正解の素晴らしい宿でした!。今回は娘夫婦への感謝の気持ちを込めて、旅館の様子を詳細にレポートします (`_´)ゞ  。


【料亭旅館 八ッ三館】

八ッ三館は創業百六十年余という事ですから、江戸時代末期からある老舗です。越中八尾(やつお)の三五郎さんがこの地で宿を始めた事から、屋号が「八ツ三(やっさん)」となって今に至るそうです。

一方通行の狭い川沿いの道の玄関先に車を停め、荷物と車のキーを預けて旅館の中へ入ります。古い中にも風格があり、門構えがいかにも老舗旅館という感じの正面玄関です。玄関のガラス引き戸は、いにしえの趣きが満点です。

玄関間には大きな一枚板の看板が鎮座しています。館内の室礼(しつらい)は季節に合わせて毎月変わるそうです。12月はクリスマスシーズンなので、和の中にも少し洋風なテイストが取り入れられていました。

応接室に通されてチェックイン。妻は少し緊張気味?(笑)
こちらは大正ロマンの雰囲気が漂う素敵な応接室でした。ウェルカムドリンクは和風の老舗旅館らしく、抹茶と和菓子です。

チェックインが終わり、階段を登って2階の「布袋の間」へ案内されました。こちらが今宵の我々の部屋です。

八ッ三館は光月楼、観月楼、招月楼と繋がった三つの空間に客室が分散しています。中でも宮大工が建てた招月楼は最も古く、国の有形文化財に指定されているそうです。我々が泊まった「布袋の間」はその招月楼の一室です。

引き戸を引いて部屋の中へ。

「布袋の間」は二間続きの和室に広縁が付いており、畳敷きの広縁は腰を掛けて向かい側の本光寺が望めるようになっていました。冬の旅館の和室といえば「おこた」。炬燵に入ってしばしほっこりしました。

トイレや洗面といった水回りは最新の機器が配備されていましたが、部屋の調度品はアンティークなものが中心です。滞在に必要な品は、アンティークな箱階段や飛騨春慶の和ダンスに仕舞われていました。随所に飛騨の木工品が使われていて、初めてなのに懐かしい気分にさせてくれます。

八ッ三館は製糸業が盛んだった頃は出稼ぎの娘達の集散場所としてとても賑わったそうです。そのような歴史があるので映画「あゝ野麦峠」のワンシーンもこの宿で撮影されたとか。せっかくなので、ワタシも招月楼の旧の玄関間を写真撮影しました。この日、招月楼は我々一組だけの貸切状態でとても静かでしたが、過去の歴史を知ると家族との別れや出迎えがあったであろう往時の喧騒が聞こえてきそうな気がします。

そして日は暮れて、お待ちかねの夕食です。夕食は別室の個室でいただきました。

この日の献立を紹介します。

<八寸>
飛騨産ほうれん草玉子豆腐 フカヒレゼリー
飛騨牛時雨煮飯蒸し 人参松風
赤蕪漬けチーズ寄せ 唐墨真薯 雪輪蓮根 フォアグラ照焼

<お椀>
宿儺かぼちゃ豆乳仕立て

<造り>
飛騨とらふぐ 間八 鮪

<焼物>
虹鱒紅葉焼

<強肴>
飛騨牛ミニステーキ 珠洲塩
山之村寒干し大根 発芽にんにく

<酢物>
河ふぐ昆布〆 鮟肝 ヤーコン梅酢漬け

<汁>(写真なし)
大根 みず菜

<御飯>(写真なし)
飛騨ひとめぼれ 柿えのき山葵

<水の物>
飛騨りんごのマリネ 苺 ブラウニー

いずれも地元の食材を丁寧に味付けされており、とても美味でした。お酒は飛騨古川の地酒5種(酒蔵は蓬莱と白真弓)の飲み比べと、丹波白ワインを1本いただきました。満足、満足〜。(そら、満足やろ)

夕食を終えて部屋に戻ると一口サイズの焼きおにぎりが夜食用(?)に置いてありました。食いしん坊には、こういうサービスは嬉しい。

夜が更けて、寝間から窓を眺めると幻想的なシルエットが広がっていました。

『夜障子越しに、夜灯が照らす木々の影がご覧いただけます。』と宿のHPに書いてあったのは、この事だったのか!と納得。

翌朝、、

朝食は当然和食です。名物の朴葉味噌を炭火にかけて熱し、釜で炊きあげた出来立てあつあつのご飯の上に乗せれば、無限に食がすすみます。

朝食を済ませて、身支度が整えばチェックアウトタイム。

チェックアウト直前に気づいたのですが、庭園を眺めてくつろげる広々とした休憩所など、館内には他にも素敵な場所がいくつかありました。ここも利用しておけばよかった〜。

次回、もし時間と懐に余裕があって(時間は絶対大丈夫だけど、懐は怪しい??)、飛騨古川に宿泊する際は、また八ッ三館にお世話になろうと思います!

【飛騨古川の街並み】

チェックアウト後、午前中は旅館近くの白壁土蔵街を散策しました。珍しい手作りの和蝋燭の店が有るというので立ち寄ってみることに。店内ではご主人が丁寧に和蝋燭の使い方などを教えてくれました。

この日はあいにくの曇り空だったので、屋内施設の「飛騨古川まつり会館」を覗くと、来客が少ないためか受付の人に熱心に勧誘され見学することに。でも、その分マンツーマンでとても丁寧に解説してもらえました。飛騨の人は地元愛がハンパなく強いようで、観光客に地元の良さを知ってもらいたい!という思いがひしひしと伝わってくるようでした。

飛騨古川も初日に行った愛知北部の犬山と同様に春の祭りが有名だそうで、いずれも山車の最上部には緻密な工作が必要な「からくり人形」が仕込まれています。飛騨には伝統の家具職人も存在しますし、ひょっとしたら風土的にこのあたりには手先の器用な人が多いのかも知れません。

【手打ちそば 恵比寿 本店】

11時過ぎに飛騨古川を発ち、飛騨高山へ。飛騨高山に立ち寄ったのは、飛騨そばを食べるためではなく(確かにそれもあった)、大学時代の後輩と約四十年ぶりに会うためです。

飛騨高山の地元FM局でナビゲーターから取材や番組構成など全てを行なっている後輩と久しぶりに再会して、「手打ちそば 恵比寿本店」で鴨南蛮を食べながら懐かしい話に花を咲かせました。ワタシが4回生の時に1回生だった彼も、あと少しで還暦。自分はまだまだ若いつもりでも後輩がどんどん還暦を迎える歳になると、『えっ?! 俺ってもう、そんな歳??』と気づくのでありました _| ̄|○。
でも、生まれ育った故郷に役立つ情報を発信し続けている後輩の姿を見て、『自分もまだまだ頑張らねばなぁ〜』と決意を新たにして帰路についたのでありました。


今回の旅は、娘夫婦からの誕生日プレゼントである宿泊をベースにして旅程を組み立てました。おかげで、行きたいのに機会がなくてなかなか行けなかった明治村や犬山城にも行けたし、後輩にも久しぶりに会うことができました。そして、有形文化財の素敵な旅館にも泊まることができました。

素敵な時間をプレゼントしてくれてありがとう! 娘夫婦に大感謝!!

シェアする