紀伊半島の旅(3日目)

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紀伊半島の旅もいよいよ最終日。

昨夜泊まったブランシェット南紀白浜のすぐ近くに「南紀とれとれ市場」があるので土産を買いに少し立ち寄ったのち、上富田ICから広川ICまで紀勢自動車道、阪和自動車道(湯浅御坊道路)を乗り継いで湯浅町へ。午前中は湯浅の古い町並みを散策しました。

和歌山県有田郡湯浅町は醤油の町です。元々、味噌作りが盛んで、金山寺味噌の製造過程からこの地で醤油醸造が始まったといわれています。ワタシ好みの旧い街並みが残るこの地区は、宇陀市大宇陀と同じ2006年に重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に指定されています。平日で観光客もほとんどおらず、のんびり街並みを観て歩きました。

湯浅の有名な醤油蔵のひとつ「角長」は創業約180年の老舗です。職人蔵には昔から職人が使っていた醸造道具などが展示されていました。

<甚風呂(じんぶろ)>

湯浅町の重伝建地区の一角に「甚風呂」があります。「甚風呂」は江戸時代から昭和の終わりにかけて「戎湯(えびすゆ)」として営業していた銭湯で、当時の面影をそのままに修繕工事が施され、今は歴史資料館として無料で開放されています。

入り口のある小路沿いの塀は、なんとも情緒があります。昭和の終わりまで営業をしていたということもあって、懐かしい調度品が結構そのまま残されていました。マッサージ機も当時のままです。

森光子や船越英二が座っていそうな番台。湯桶は金盥。古き佳き昭和がまだここにあります。

この辺りは昔、銭湯が多かったらしく浴槽も小さめ。ごく近所の人だけが毎日通う、生活の一部を担う銭湯といった感じです。

青いタイルの方は水風呂だったのかな?

浴場横に続く経営者の住まいの母屋は展示室になっていて、昭和レトロな代物がたくさん展示してありました。

我々が訪れたのは、「後の雛まつり」というイベントが行われている期間で、甚風呂の展示室にも雛人形や吊るし雛が飾ってありました。

「後(のち)の雛」とは桃の節句に飾った雛人形を、半年後の重陽の節句で虫干しを兼ねて再び飾り、厄除などを願う習慣で、江戸時代に庶民の間で広がったといわれているそうです。湯浅町がこの「後の雛まつり」イベントを開催するのは今年が初めてで、今年2月に町内の病院で発生したコロナのクラスターに伴う風評被害(今は、全く問題ありません)で観光客激減の中、町民約12000人の健やかな生活を願って、吊るし雛12000体を全国各地から募ったのだそうです。応援の温かい気持ちが吊るし雛に込められていると思うと、より一層美しいものに思えます。

雛人形は甚風呂の他、北町ふれあいギャラリーという休憩施設などにも展示されていました。

湯浅でノスタルジックな街並みを楽しんだ後は、最後の目的地「有田川町鉄道交流館」へ。

<有田川町鉄道交流館>

2002年に廃線となった旧有田鉄道の金屋口駅が鉄道公園として生まれ変わり、敷地内に有田川町鉄道交流館が併設されています。有田鉄道を利用した事はないものの、旧い車両を見ると懐かしさを感じます。土日は車両への乗車体験ができるので家族連れなどで賑わうようですが、この日は客は我々だけでした。鉄道マニアの方などから寄贈されたグッズの数々を眺めながら、幼い頃の思い出に浸る、還暦夫婦でありました。


というわけで、Gotoキャンペーンを利用して巡った紀伊半島の旅。計画するときは、奈良も和歌山もよく行くから、目新しいスポットなんて少ないよな〜と思っていたのですが、いざ行ってみると魅力的なスポットがたくさん有りました。コロナの時代、しばらくはマイクロツーリズムを楽しみたいと思います。

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