名古屋へ日帰りひとり旅

 近鉄には「近鉄週末フリーパス」という土日を含む連続3日間、近鉄全線が乗り降り自由という乗り鉄のココロをくすぐるお得な切符があります。金曜日に大阪、日曜日に京都へ出かける用事ができた妻から『フリーパス切符を買うから土曜日に一人で何処かへ行ってきたら?』と家を追い出しにかかられ(笑)、ならばと名古屋まで日帰り一人旅をすることにしました。思えば名古屋って結構近いはずなのに、今まで観光で立ち寄る事はほとんどありませんでした。関西人にとって名古屋は出張や旅行で通り過ぎることはあっても、目的地にする事は意外と少ない都市なのかも知れません。


<名古屋城>

 近鉄名古屋駅から地下鉄に乗り換えて、最初に向かった先は名古屋城。『尾張名古屋は城でもつ』と言い古された最もベタな観光地ですが、やはり名古屋観光をするとなると外す事はできません。

 まずは名古屋城内の本丸御殿へ。長期にわたる復元工事が完了して2018年に一般公開された御殿内部ですが、新築を思わせるような木の香りがしていました。襖絵や彫刻欄間や天井装飾など全てが復元模写されたものなので、いにしえに想いを馳せるというよりも、趣味のよろしくない政治家の邸宅に招かれたような感覚に陥りました💦。ただ、これだけ緻密な復元作業に携わった人たちの技術や努力は大したものだと感心せずにはいられませんでした。

 本丸御殿を見学した後は、頂に金の鯱鉾が光り輝く天守閣へ。大天守は現在木造復元プロジェクトが進行中との事で内部へ入場はできませんでした。昭和34年に鉄筋コンクリートで再建された現在の天守閣ですが、耐震補強が必要との事。昭和34年生まれといえばワタシと同い年やんか〜。鉄筋が入ったお城も修復が必要なくらいなので、そりゃ生身の人間が60年超えたらアチラコチラで修復が必要になるわなぁ〜。ワタシの体もそろそろ木造に修復してもらおうかなぁ😅。

<名古屋メシ>

 名古屋に来たからには、ランチは名古屋メシでしょう。独自の食文化を育み続ける名古屋ですので、色々と選択肢はあるものの、老いて食欲No.1を自負するワタクシとしては「味噌カツ丼」の一択であります。今や味噌カツ丼で全国区となった「○場とん」は大阪でも食べる事はできるので、地元民のみが愛する食堂で「地元民が愛する地元民による地元民のための味噌カツ丼」が食べたい!。。。ということで、ろくに調べもせず次の目的地の最寄駅近くでgoogle先生に教えを乞い、発見したとんかつ屋さんへ行くことにしました。

 google先生の誘導に従い店の前まで到着したものの予想以上にディープな店構え😨。。暖簾はかかっているけど、札には「準備中」の文字。

『どっちやねん??』

 恐る恐る引き戸をガラガラと開けると、カウンターとテーブルに先客が計三名。厨房内では少し腰の曲がったお婆さんの店主が一人で料理を作っています。かろうじて営業中のようでした💦。
スネにタトゥーが入った若いお兄ちゃんは一人カウンターでカレーを食べているものの、テーブル席にいた観光客風の中年オジさんと娘か孫かわからないセーラー服女子学生の二人連れは、注文した定食が未だ届いていないようで各々が無言でスマホとにらめっこ。なかなかカオスな空間であります😱。

 しばらくして店主が『何にしましょ?』と聞いてくれたので『味噌カツ丼をお願いします!』とワタシ。
『はい』と店主が調理を開始し始めると、カウンター越しに調理の様子を見ていたタトゥー兄ちゃんが店主に『おかあさん、お客さんは味噌カツ定食じゃなくて味噌カツ丼を頼んでいたよ』と忠告してくれました。そしてワタシに『味噌カツ丼でしたよねぇ?』と確認してくれたので、ワタシは店主に『もし、作り始めてるんやったら味噌カツ定食でいいですよ〜』というと、店主は『ごめんなさい。味噌カツ丼を作りますから大丈夫ですよ〜』と言ってくれました。

 店主は店を一人で切り盛りしているのですが、足の具合が悪いようで狭い店内ですら動くのが辛そうです。食事を終えたお兄ちゃんが『ご馳走様でした〜。』と言うと店主は『悪いけどお金はその横の箱に入れて、お釣りは小銭入れに並べているから持って行ってね〜』。店主の指示通りお金を支払うとお兄さんは『ありがとう。美味しかった。また来るね〜。』と挨拶して食べた食器を片付けて店を出て行くのでありました。(ええ青年やったなぁ〜)

 しばらくして、とんかつの揚がる音が心地よく店内に響き始め、ラードの香りが鼻を刺激。そうこうしているうちに出てきた味噌カツ丼が上の写真です。揚げたてサクサクのとんかつの上にはトロトロの濃厚味噌ダレ。とんかつの下に敷いたキャベツとご飯との相性が抜群で一気に食べきりました。美味かった〜。

<トヨタ産業技術記念館>

 トヨタグループ発祥の地である旧トヨタ紡績工場の跡地に建つのがトヨタ産業技術記念館です。ワタシは旧車を見るのが好きで、トヨタ歴代自動車の展示場みたいなところと思って訪れたのですが、経営哲学的なアプローチやモノ作りの技術的なアプローチによって楽しみながら学べる場となっており、想像をはるかに超える展示規模と崇高な設立理念に感心させられました。

、、とは言うものの、ワタシが撮影した写真は旧車展示がメインなのですが💦、たとえば繊維機械館では実際に糸を作る工程を各々オペレーターによる実演や機械の動きを交えて詳細に説明が加えられているので、機械関係に興味がある人はもちろん、ワタシのような門外漢にも興味を引くようにわかりやすく説明されていました。また、自動車部門の創業者である豊田喜一郎氏の人物像を浮き彫りにすることにより彼のモノづくりと経営哲学についても学んで参考にできるようになっています。

 自動車館では自動車を組み立てる工程なども詳しく紹介されており、実際にロボットアームによるデモンストレーションなどを見ることもできるようになっていました。

<ノリタケの森>

 トヨタ産業技術記念館から徒歩10分足らずのショッピングモールの横に「ノリタケの森」はあります。ここは陶器で有名なノリタケの本社敷地内にできた陶磁器に関する複合施設です。

 旧工場跡の広場では爽やかな秋空の下、たくさんの親子連れが芝生でボール投げをしたり鬼ごっこをしたりして思い思いに遊んでいました。街中の大型ショッピングモールのすぐそばに子供と遊べる広場があるというのは、とても良い環境だと思いました。


久々の一人旅で名古屋を楽しみました。

色々なところへ行ったけど何が一番思い出に残りそうかというと

やっぱり、味噌カツ丼かなぁ〜

(でも、おばちゃん年内で店を閉めるみたいです😢)

うだよろし

Apple製品を愛するB型人間 奈良県宇陀市在住 還暦を迎え、人生2周目を周回迷走中。

シェアする