気分は王様 in和歌山

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和歌山県白浜にある「ホテル川久」といえば、バブル期に巨費を投じて建てられた海外のお城のようなホテルとして有名です。我々も2015年に日帰り温泉で利用した事があり、その時の様子はブログにもアップしています。昔は、◯千万円もする会員権を買える富裕層のみが利用できる会員制リゾートホテルだったのですが、バブル崩壊後一般顧客も受け入れるようになり、最近では宿泊費も射程圏内に入ってきたようなので先日一泊してきました。今回はそんな「ホテル川久」の宿泊者目線でのレポートです。


<外観と外壁>

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なかなかイカつい面構えの外観です。屋根瓦は北京の紫禁城で使われているものと同じ「瑠璃瓦」を47万枚使用。上塗りした薬剤によってガラス(瑠璃)のように光が反射するのでその名がついたようです。また、この瓦のなんとも言えない黄色は「老中黄」と呼ばれる色で中国皇帝しか使うことが許されていなかったそうです。今は中国に皇帝は居ないから許可なく使っても大丈夫なのかな??

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敷地の外壁はイギリスのIBSTOCK社製レンガ140万ピースを組み合わせて作られているそうです。外壁からして工芸品のようでした。外壁がこんな感じなのでホテルがより国籍不明のお城っぽく見えます。敷地内に自家用車で入ると女性のドアマン(ドアウーマン?)が親切に誘導してくれました。

<エントランスホール>

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荷物を預けてエントランスホールの一角でチェックインを行ないます。チェックインも手際良く、さすがに高級ホテルという印象です。

ホールでまず目につくのは秀吉ですら驚きそうな黄金に輝く天井。建設当時、フランス人の名工ら3人が厚さ1ミクロンの金箔19万枚を2ヶ月かけて貼ったとのこと。それから約30年後の2020年に「最大の連続して金箔押しされた天井」としてギネス世界記録に認定されました。30年以上の時を超えて、今なお全く色褪せることなく輝き続けているのには本当に驚きです。

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もう一つ気になるのが「シュトックマルモ」と呼ばれる技法で作られた擬似大理石の柱。これは日本の左官職人さんがドイツで習得して持ち帰った左官技法を駆使して造られています。本物の大理石で継ぎ目なくこのような大きな柱をたくさん造る事は到底出来ないので、これも優れた技術と根気のなせる技です。天井の金箔の艶やかさを際立たせるシックで気品のある蒼色も今なお健在でした。

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そして床に目を移すとローマンモザイクタイル。こちらもイタリアの職人が一枚一枚手作業で埋め込んで出来たものだそうです。グラデーションの表現も1cm角のタイルの組み合わせで表現されていて、その作業を想像するだけで気が遠くなりそうです。

贅を尽くせば尽くすほど、見方によれば成り金趣味に見えてしまいがちですが、世界最高の技術や労力を駆使して『歴史に残るものを作りたい』という創り手のエネルギーのようなものを感じるエントランスホールでした。

<ラウンジ>

Welcomedrink

入室可能時間の1時間ほど前に着いたのでチェックインを済ませた後、ラウンジでウェルカムドリンクをいただきました。川久のウェルカムドリンクはセルフサービス方式です。ジュース、梅酒、ウィスキー、炭酸水などのドリンクとナッツやチョコのFinger foodが用意されていました。セルフサービスの方が広いラウンジでゆったりとくつろぎながらチェックインまでの時間を過ごせるので良いなと思いました。

<客室>

15時になったので客室へ。ホテル川久の客室は全室がスイートルームです。スタンダードな「川久スイート」を予約するつもりでしたが満室だったので、より大きな「ロイヤルスイート」というカテゴリーの部屋を予約していました。私たちが泊まった120平米ほどある部屋はこんな感じ。

↓ ↓ ↓ ↓

Roomkasagi

暖炉のあるメインルーム、シャンデリアが輝く寝室、海の見えるバスルーム、二人分の洗面台があるウォッシュルーム、と全てがゆとりある空間となっています。勿論そこそこ快適ではあったのですが、部屋の趣味が英国なんだかエジプトなんだか、、、。

『これは愛人を連れておっさんが来る部屋やなぁ〜』と夫婦揃って苦笑い。ビジネスホテルに宿泊慣れした我々にとっては広すぎたので『また泊まる機会があれば次はスタンダードの部屋で十分やな』っていう事で意見が一致しました。

<食事>

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夕食は上の写真を見てお察しの通りバイキングです。今回、オプションのワインバイキングもつけたので、飲むのと料理を取りに行くのが忙しくてほとんど撮影できていません。(←ということは、写真のほかにも食べたり飲んだりしているという事です)
王様のビュッフェ」と名付けられているとおり、バイキング料理といっても寿司、天ぷら、ステーキなどのメインは全てその場で作った出来立てをシェアしてもらえ、味付けも抜かりありません。ワインバイキングは赤・白・ロゼ・スパーリングと種類も豊富で90分飲み放題です。とにかく品数が多くて、いくら食いしん坊のワタシでも全てを制覇することは残念ながらできませんでした。

Breakfast

翌日の朝食もビュッフェバイキングです。なんと朝からすき焼きもあります。海鮮丼は自分で好きなだけ具材をのせて作ります。オムレツとおにぎりは中の具材を指定すれば目の前で作ってもらえます。おにぎりが絶妙な握り具合で美味しかったこと!
前日そんなに食べたのに朝からこれら全部を一人で食べたのかって? モチロンですよ!

<温泉>

温泉は撮影不可なので写真なしのレポートです。前回、訪れた後に温泉はリニューアルされており、1階と2階の二つに分かれていて、日毎に男女入れ替わるため宿泊すれば両方楽しめます。1階の「悠久の森」と名付けられた温泉は大浴場と露天風呂があり、大浴場は少しぬるめでほのかに潮の香りがするワタシ好みの湯。露天風呂は少し熱めですが横に水風呂があるので交互に入ると「整う」こと間違いなしです。
2階のロイヤルスパは新しく出来たようで海を見ながらゆったり入ることのできる大きな浴槽とタオル地のガウンをまとってゆったりくつろげるリビングスパが特徴です。男湯は2階のロイヤルスパが2日目だったので、もう少し早起きして時間をかけてゆっくりと入りたかったです。

<展示品>

建物自体も芸術作品のようなホテルなのですが、建物内にはオーナーが蒐集した美術品が展示公開されています。宿泊者はもちろん無料で館内を観て回れるのですが、「川久ミュージアム」として入館料を払えば宿泊者以外も見学することができます。

1階のエントランスホールには中国清朝の骨董品をはじめ日本の陶芸家の作品、象嵌細工が施されたスタインウェイのピアノ、ホテル創業当時のスタッフユニフォームと一貫して一貫性の無い展示内容です(笑)。共通しているのは各々作者の創造力と技術の高さといったところでしょうか。

2階の廻り廊下は画廊になっていて陶板の壁にはデッサン画やリトグラフなどが展示されています。しかもその作者は、マルク・シャガール、サルヴァドール・ダリ、ベルナール・ビュフェ、横山大観、平山郁夫 等々。これら名だたる芸術家の作品が、普通のウォールアートのように無造作に飾られていました。しかもこれらの作品も私的使用目的なら撮影OKでした。撮影した作品の写真は著作権を配慮して転載できないのが残念です。

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ある意味、ホテル川久は唯一無二のホテルだと思います。

世界各国の一流職人が匠の技を結集させて作った建物
贅を尽くした調度品の数々
多数展示されている著名な芸術家の作品

これらは宿泊者にある意味で緊張を与え、感性を刺激します。

そんな宿泊者の緊張を和らげるのに充分なのが
心地よい温泉と従業員のホスピタリティ

もう一度、機会があれば宿泊したいな〜と思いました。

なぜなら、
おいしいビュッフェバイキングを全種類制覇できていないもんで。。(そこかい!!)

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4件のフィードバック

  1. 120平米のスイートルームって!!!!
    朝食もディナーみたいだし、驚くことばかりですよ。
    安くなったと言っても、2,3万では泊まれないでしょう。
    太っ腹ですねぇ。

    なんともうらやましし限りですよ。

  2. たろさん、

    ところが、
    木〜金の宿泊、全国旅行支援、楽○スーパーセール、ポイント利用
    などを組み合わせれば、一人2万円ほどで泊まれたんですよ。
    のんびり優雅な時間を過ごせましたよ[E:#x1F600]

  3. へぇ・・・・ これが あの!
    で 一人2万!!っすかぁ・・・
    いやあ 2泊したいですねぇ!

    って 老老介護の 我が家
     。(*v.v)。いつになるかなぁ のんびり旅行

    ちゅうことで なんともうらやましい限り,too

  4. 高忠さん、

    色々と駆使して今回はリーズナブルに宿泊できました!

    そういや高忠さんは、ダリの絵が好きって
    言ってませんでしたっけ?
    画廊には7点ほどダリの絵も飾ってありましたよ。
    なんともインパクト満点の作品でした ^_^

    同窓会 in関西 が開催決定したアカツキには
    ぜひ白浜へも行きましょう[E:#x266A]

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